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何流と倚らで真理を辿るのみ
  耳で視るまで松風のとも
(初代 新沼椿渓先生 作)
初代 松平俊子先生

われ道標とならん


大日本茶道協会 創立時の趣意書

今日茶道の隆盛は近代稀に見るものがあります。
しかし乍ら世間では一般に茶道とは何かしら窮屈な近づきがたいもののように考え、一部の閑人、好事家の習い事のように誤解している向きがあり、一方茶道界でも名器珍宝の玩弄に重きをおき、一服の茶を通して和敬の清浄界を顕現する茶道本来の精神を没却している傾きがあります。
流儀や因襲や形式的教権に捉われ、いわゆる封建的な家元制度の下に排他と固陋の状態が続いていて、現代の感覚からまったく遊離したものとなっております。

顧みるに、故新沼椿渓翁は夙に茶道会の弊風を憂い、その革新を志され、新時代にふさわしい清新で力強い茶道を創案されて、斯界に偉大な足跡を残されました。

私たちはあくまで翁の茶道精神を現代に生かし、日常生活を洗練浄化し、この道を通して日本文化の特性を発揮して広く世界の文化に貢献したいと常々念願しております。

この度ここに遺弟有志相寄り、師の遺訓を体し、本協会を設立して、微力ながら真の茶道の発揚につとめていきたいと思って居ります。

                     初代 松平俊子先生 文
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